50音順SS さ〜と





11、察する <和華語り>


形のいい唇は大きなマスクですっぽり覆われ、

切れ長の目も、メガネに隠され、

つやつやの黒髪も、帽子に覆われている。


(……なんでその格好で、美人て伝わるんでしょうねぇ)




←花粉に対抗して、洋子を戦わせてみた。




12、昇華 <トモ語り>


ずっと憧れてた人がいた。


そのためには何だってやってやる、なんて思ってたけど。

実際できたのは、簡単な失恋だけ。


今さら「あの人の娘」だから、興味持ったんだなんて言ったら、

あいつは怒るかな。



あの光り輝く舞台で、

多くの著名な観客たちじゃなくて、

まるでスポットライトに、まぶしすぎるんじゃない?と

おどけて微笑んでみせたあの人。


一見全然似ていないその娘にも、オレは恋した。



13、すり替え <和華と蛭魔さん>



「お神酒を……

 樽で飲んだら、

 綺麗になれますかね?」




仮面を脱いだ彼女は、汚いものを見るかのように鏡を睨みつけていた。



どうも彼女は「タツミワカ」であることが許せなくなるらしい。

究極的に彼女は「朝子」になりたいのだ。



「試してみるか?」

言って、携帯に手をかけると、驚いた顔のあいつと鏡の中で目が合う。


「……どーせ、てめぇが酔っ払うだけだ」

「ふふ。

 じゃあ、みんなで飲みましょう!……みんなで」


答えがすり替えられているにもかかわらず、彼女は嬉しそうにはしゃいだ。


←そのすり替えが出来るのは蛭魔さんだけだと思う。


14、背中を預けて胃を守る。  <ユウ語り>


肉とか、魚とか。

原型が残っているものは却下。

せめてハンバーグか団子状にしたもの。


量も多すぎれば台無しだ。

作る側として、たくさん食べて欲しいが、

そこはぐっと堪えて……。


「いつだってオレが守ってやる」なんて。

四六時中張り付いているわけには行かないし、

SP並みの装備があるわけでもない。



ただ一つだけ。

洋子の食事はオレが守る。




←あれ?愛たっぷりシリアス目指したのになぜかギャグちっくに……



15、そ







16、対峙 。

「Barにて」より。ムサシさんバーテン設定です。



「こんなオシャレなとこで働いてたんだ、ムサシ」

 紹介するね。中学の時から一緒にクリスマスボウルを目指してた仲間のムサシ。

 こっちが、レミちゃん。僕らと同い年だよ」


「……よろしく」

「…………………」

「ど、どうしたのレミちゃん」


「ヤな予感がする。…………イイ男だけど」←瞬時に恋のライバル兼自分に落ちない男と見抜いた。

「コーラでいいか栗田」

「うん」

「ライターある?」

「…………」

「…………おい」

「!」

「背伸びはやめとけ」

「背伸びじゃない!中学からの習慣なの」

「だからそれが背伸びだろ」

「お、女はどうせ子供ができたら辞めなきゃいけないんだから。

 ……それまでは好きにしたっていいでしょ」

「……栗田に煙が行く」

「っ!………あああ、そうですか。

 栗ちゃんの子供が生めないからって嫉妬してるのね」

「……試してみるか?」

「……!

 っていうか栗ちゃんそこは即否定して!」


「ごめん二人が楽しそうだったから」

「全然たのしくない!」



ムサシVSレミの構図が…


女王様レミがここまで振り回されるのも、なんか面白かった。

たぶんカノジョが一番苦手なタイプなんだろうな。



17、違い  


「あいつのがエゲツナイぞ」

「え?和華先生が?」

「おい。糞和華」

「……?

 なんですか?」

「てめーが高校時代にアメフト部作ろうと思ったら何やった?」

「どうしたんですか、いきなり」

「いいから答えろ」

「……どのくらい本気で?」

「本気も本気で」

「……えっとぉ。

 そうですね。まず手近な顔の広いかっこいい男の子……あ、トモでいいや。

 トモに『今はまってるのはアメフト!』とか『部活があったら入りたい』とか言ってもらって。あ、雑誌のインタビューとか効果ありそうですね。じゃなく
ても顔の広い彼なんで校内でもすぐウワサが立つと思います」


「で、女の子たちがアメフトって何?みたいに騒ぎ出すと、今度はクラスの男の子たちが反応するわけですよ。そこで部を作って、あとは男子に人
気のある女の子数人にマネージャーをお願いすれば、まあ10人くらいは集まるんじゃないですか?続く続かないは別として」

「てめーは?」

「勿論私もDEとして参加します!」




18、使い <栗ちゃんとレミ>


「……あ」

「な、何?変?」

「ううん。いつもスカートだったから。

 ズボンが珍しくて」

「ネグリジェの方が良かった?」

「え?…」

「お義父さ〜ん。

 ネグリジェのほうがいいって〜」



「う、うるさい」



「……」

「ん?どうしたの?」

「……一緒に寝ていい?」

「ど、どどどどしたの?」

「…だって。何か怖いんだもん。

 お寺とか、私いろんな人に恨まれてるし、仏像いるし」

「大丈夫だよ。ぼく毎日寝てるんだよ」

「そりゃ栗ちゃんは善人だもの!

 ……ねえ、何もしないから」



←ゴキ素手はOKで、お化けはダメなんだ。レミ。





19、転回 <トモ語り>

入学当初はいろんな人に誘われたけど。

全部断ってたら、GW明けには誰も近寄らなくなった。

……一人をのぞいて。

「や。お昼一緒にどうですか?」

「遠慮しとく」

「はい、じゃあまた今度」

隣の親友を迎えに来るついでに、和華はオレに声をかけていく。

NOの連続にも一向にめげる気配を見せず、

YESなんて全然期待してない軽口が気になって。

5月半ば、とうとう「YES」と返事をしてみた。



「!」

やっぱり彼女は目を丸くした。そんなこと想定外だとでも言うように。

それから微笑んだ。


←和華とユウと洋子の輪にトモが加わるまでの過程。


20、当日 <レミの両親>



「栗田くんいらっしゃい〜」

「やぁこんにちわ」

うちの両親は善良な彼をとても気に入っているらしい

「麗美は今ちょっとおしゃれしてるからね」

そう、勝負下着を選んでます。

「まああがってあがって」



「ほら、お菓子でも食べてて」

「遠慮しないでいいよ」

「……でも、これからバイキングに行くから我慢っ」

「あら、えらいわねぇ」

「我慢ができる男はすごいなぁ」

もうなんていうか、手放しで彼が好きなのだろう。

うちの両親はこういう子供を望んでいたに違いない。

「あ、テレビ!

 ここのホテルのバイキングに行くんです」

「あらギャル曽根ちゃんが出てるわね」

「栗田君もあれくらい食べないと」



「お待たせ」

リビングには彼がいた。

「そうだわ。麗美もギャル曽根ちゃんみたいになればいいのよ。

 大食いのアイドル」

「麗美もいっぱい食べるからなぁ。

 向いてるんじゃないか?」


「何?

 大食いAV女優?」


「………………」



←やっては吐くのが見えみえだが……




50音順SSのいいところは、ネタを考えてからタイトル
もしくはタイトル考えてからネタって、
両方できるとこですね。

とりあえず、半分が目標。
ホントに殴り書きですいません。





トップへ
戻る