Bar Musasi 1



■毎度毎度の注意点。

短編においてある小説「Barにて」、とすごく激似なお店ですが、

この話とストーリーがかぶるか、と言われると…分かりません。


一致する点は、ムサシさんがバイトでバーテンダー。
和華は(登場未定)常連客で酒飲み。という部分です。


基本はムサシと主人公のお話です。






雨、雨、雨。

春らしい日が来たかと思えば、また冬に戻ったような寒さがぶり返す。

三寒四温のうざったい毎日にくわえて、ここのところ降ったりやんだりの雨が続いている。

雨が客足を鈍らせるのか、うちのバーでは専ら閑古鳥がないていた。

時給バイトの身に売り上げは関係ないが、万が一潰れるなんてことになれば、金に困る。

武蔵工務店。

土木の仕事は通常日暮れで終わる。

日暮れから店を開けるバーは、オレにとって都合がよかった。

疲れていないわけじゃなかったが、力仕事ではない。

店のマスターと共に店に立ったのは2、3度だけで、すぐに俺一人に店が任された。

見るからに無口で、そんなに愛想もいいとは言えないマスターから「子供が生まれて片時も離れたくない」と聞いた時には驚いたが。



BGMは雨がアスファルトを叩く音。

店内の薄暗い明かりと、環境が整いすぎていた。

よって、客がいなければ時に眠りこけていても問題ないと思う。


扉が閉まる音がして、俺は目を開いた。

(裏口の方だな)

まだ鉛のようにだるい体をなんとか起こして、目をこすりこすり見開いた。



捨てられた子犬かと思った。


「……あ……」


頭から靴までずぶぬれで、無事なところがないソイツは、ぽたぽたといたるところから雫をたらしている。

Tシャツにジーンズというラフな格好も見るも無残で、履いているスニーカーを逆さにすればグラス一杯くらいは満たせそうだった。

脱色しすぎたような、薄いベージュの短い髪。

150くらいのやけに骨ばって見える体。

とりあえず、もの取りではなさそうだが……。


「…一応20歳未満禁止の店なんだが」

自分を除いて、と心中で付け足す。

どう見ても目の前にいるのは声変わりもまだの中坊だ。


「…………」

少年は大袈裟に萎縮して、視線を下へ下げた。

頭を下に向けたせいで、余計に前髪からぽたぽたと雫が落ちる。


何も言わないのは気に入らなかったが、店が水浸しになって困るのは俺だ。

棚から新しいタオルを2、3枚出すと、少年に向かって放る。

「バスタオルなんてここにはねえからな。

 それで我慢しろよ」

慌ててタオルを受け取った少年は、本当に小さくうなづいて、遠慮したように髪を拭きはじめた。

その仕草がもどかしい。

もっとこう、わしゃわしゃとふいちまえばいいのにと見ていると、俺の視線に気づいたソイツはわざとらしく赤面して、背を向ける。

(……ったく、女みたいな野郎だな)

見られたくないもんを、見る趣味はねえ、と視線をそらそうとした瞬間、

少年が背を丸め、透けたTシャツからありもしないものが目に入る。

(お、お、……女!)

いや、まさか。でも……



先日のヒルマといい、うちの店は厄介ごとが取り付いているんじゃねぇか?

何故かどっと疲れを感じて、ため息をつく。


「………」

すると、詫びるように、泣き出しそうな彼女と目があった。



彼女は何か言おうと口を開きかけていた。

「………あ…………くしゅんっ」

はいはい、「ありがとう」に「寒い」な。

勝手に解釈して、俺は替えの制服を探しにかかった。




というわけで、始めてしまいました。
時系列も以前書いた短編との関連も不明ですが、(オイ)
大会が終わってないとすれば、
レミは登場できないのか?
銃創の蛭魔さんは?どうなった?

えー全て無視してやろうかとも思ってますが、
いかんせん和華4以外は未成年たちなので、
ってかムサシさんは違和感なさすぎ?

主人公は一体何から逃げたのか。
後で登場予定の新キャラも(主人公も)私の手に負えるのか。

ってかちゃんと終わるのか。
いろいろ含みつつ続く。



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