別の我慢大会





白い肌がもっと見たくて、髪をかきあげた。

彼女の香りが立ち昇り、それを逃すまいと顔を近づけて香りをかぐ。

俺に向けられる、その困ったような笑みがたまらない。

欲望に観念したのか、彼女は腕を伸ばし、俺の首にまわした。

そして、

体が触れ合う……。





「……」

「……」



「……だぁぁぁっ!暑い!」




「暑くてやる気がしねー。シャワー借りるぞ」

「えええ!ずるい。私だって浴びたい」

「……」

「……???」

「おお、そうかそうか。一緒に入るか」

「!

 ……わわ、私、クーラーかけて部屋冷やしときますね」

「そんなのシャワー浴びながらでもできるだろ?」

「……!!

 蛭魔さん」

「なんだ」

「言っときますけど、うちの浴室狭いですよ?二人も入ったら暑いですよ?」



最後の最後まで、暑さが恋の邪魔をする。

やっぱ恋は冬じゃない?




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